神社・お寺の修理・修復・新築・設計・施工 仏具の修理(修復)なら金田社寺建築
小泉グループ本社の企業神社が老朽化に伴いまして弊社にて御造営させて頂きました。原則、既存と同じように納めさせて頂きましたが、雨仕舞いの悪い箇所や保存上変更した方が良い点については、変更しました。
今回は、本殿に関しては軽度の劣化のためエアー鉋を施して劣化層の除去を行い、屋根板金を新しくしました。鳥居・玉垣・灯籠に関しては、劣化が激しいため作り替えすることになりました。解体をしていくと、鳥居の柱から白蟻が出てきました。こんな屋上なのに白蟻がいるのか？という疑問を持つ方もおられますが、実は白蟻というのは地面だけに生息しているものではありません。継続的に湿っているような場所で暗くて食べるものがあれば、そこで巣を作り木材を食べ尽くします。どっからやってきたのか？というのは、白蟻は活動時期になると羽蟻となり飛び回っています。そこで巣を作れそうな場所を探して、飛んでくるので、屋上だからといって、白蟻の被害がないと思うのは間違いで、現実問題として、ここに白蟻がいます。
今回の加工での変更点は、鳥居の根巻き部分にジョイントがあるとそこで雨が侵入し、水が溜まってしまうため、一木で創り出しをしました。この創り出しは本当に大変で、丸鉋が３種類入ります。仮組をしっかりと行うことにより、現場での作業負担を軽減します。塗装に関しては、剥離しにくい海外製の特殊な塗料を使っています。
既存の防水層は、企業神社の取り合い部分で縁が切れている箇所もあり、今回は小泉さんの営繕業社様にて社殿の基礎を丸ごと防水して頂きました。そして、今回は強風時に飛んでいかないようにアンカーボルトにて固定する納まりになりましたので、アンカーボルトからの漏水をなくすために、アンカーボルトもすこし防水層を立ち上げて頂きました。
新しい防水層を傷つけないように養生しながら作業を行いました。屋上の企業神社で一番苦労することは、材料の搬入です。昨今では、神具屋さんの高齢化により体力的に屋上の企業神社を断るケースが多いそうで、我々屈強な宮大工がそれを担う時代になってきました。荷上げ屋さんを呼んで上げるケースもあるそうですが、これだけの材料を組み立てるとなると若くないとしんどいそうです。
無事に社殿を完成することが出来ました。新しい朱色の発色具合と防水層とのコントラストが何ともいえないくらい最高です。よく見て頂いたら分かるのですが、玉垣は、プラスチックのパッキンで浮かしているので、雨水が溜まって腐食することもないでしょう。企業神社をさせていただくことで、神社建築の専門家として、神社と企業を再度お繋ぎできる事が一番嬉しいこと。この度は御造営にご参加させて頂きましてありがとうございました＾＾
全国の国宝重要文化財を巡礼し、様々な形式の小宮を見てきた私は、7年ほど前から、この問題に着手し、企業やご自宅における神社についても調べて、新築工事・修復工事をさせて頂く活動を開始しました。その実績が認められ、ユニチカ様・タマノイ酢様・小泉（株）様の企業神社の御造営をさせて頂きました。企業神社に関してまとめてみましたので、ご覧下さい。
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