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賃貸物件に神棚を取付する場合の注意点を宮大工が解説

神棚のお客様からよくある質問の中で、「賃貸物件なんですが、取付しても大丈夫でしょうか？」という質問について、今回は神棚取付経験が豊富な宮大工の立場から解説していきます。

穴を空けても良いのか？

賃貸物件の場合、退去する時に借主は現状復旧をして家主に返却しなければなりません。契約の中で、敷金にて現状復旧のための費用を見込んでいたり、退去時に現状復旧の見積もりをして負担するケースが多いかと思います。では、神棚を取付する際に、どの程度の穴を空けるのか？という事がキーワードになってくると思います。

ボードアンカーの穴

神棚を壁及び天井から固定する事が多いのですが、ボード下地の場合、ボードアンカーを打ち込み、固定します。ボードアンカーは、エアコンなどを取付する際に使われるアンカー、アンカーを撤去したとして直径１０ミリ程度の穴が壁に３箇所程度、天井に６箇所程度空いているので、その程度の穴であれば、パテ処理してクロスを貼る事ができるので問題ありません。

本当に問題ないのか？

神棚の取付を７年間してきて、上記のケースで家主・不動産会社に何度も確認してきましたが、駄目と言われた事がありません。なので、一般的には問題ありませんが、気になる方は、家主さんか不動産管理会社に確認してみて下さい。

取付がNGとされる場合もある

鉄筋コンクリート造で、構造体が剥き出しになっている意匠の場合、構造体に穴を空けて、アンカーを打ち込む事は、構造体の断面欠損になるため、NGとなります。が、構造体に十分なかぶり厚がある場合は、構造体にモルタルなどを塗りつけている場合は、断面が十分に確保されているため、ノンカールビスを使って下穴を空けて取付する事が可能です。しかし、構造体に何か施す事は、家主にすれば不安要素になるため嫌がられます。

そうした場合は、どうすればいいのか？

建築物から固定できない場合は、設置形の神棚にする場合が多く、本棚などの上にお祀りするケースがあります。

取付に関しての注意点

神棚の取付は、納まりさえわかれば、物理的には一般の大工さんでも可能ですが、細かいノウハウがあります。今まで、神棚の取付をしたいという事で、神棚を工務店に卸した事がありますが、簡単に取付ができると思い、言われた通りの方法以外の方法で取付した結果、板がズレたり、下地から浮いたりと、クレームになったケースがあります。そこで、「神棚コーディネーター」と「神棚取付師」という資格講習を設けて、受講して認定した者でなければ神棚の業務をできないようにしました。神様に関する事なので、下地処理がきちんとされておらずに神棚が落ちてきたという事があってはならないので、私が今までやってきたノウハウをきちんとやってくれる人にやって頂きたいと思っています。