社寺名称:法音寺(ほうおんじ) 建物名称:(重文)本堂 構造形式:桁行三間、梁間三間、一重、 寄棟造、茅葺 建立年代:康正3:1457:室町中期
解説
(本堂について)
中世の建築の特徴である隅延びや柱の内転びなどがみられる。柱間装置に禅宗様の特徴である桟唐戸の配置しており、建具を取付するために藁座が貫に打付けされているが、上部のみとし、下部には地長押を配置するなど、違和感なく納めている。柱頭と中備には、平三斗を置き、詰組となっている。六枝掛けが成立しているかは、軒が新しいため不明。
※丸桁が2重にあり、下の丸桁が既存の物で、上の丸桁は、新たに軒及び屋根を新設する為に設けられた物なので注意。
(厨子について)
厨子の垂木は扇子のように放射状に配置される構造であるなど、真言系の仏堂でありながら、禅宗の影響が見られることが特徴です。
隅延び
『隅延び』とは、平部柱よりも隅柱を長くすることによって、建物の軸部から軒を反らせる中世の技法の一つ。頭貫と飛貫との隙間をみると、平部の隙間よりも隅部の方が隙間が大きい事がわかる。
内転び
『内転び』とは、隅延びと抱合せで使われる技法で、建物の柱を垂直に建てるのではなく、柱頭を少し内に転がす事によって、高低差をつくり、隅延びだけで軒反りを負担させずに、自然と納めるようにしている技法になります。内転びは、四脚の鐘楼などで使われる四方転びといって、全ての柱を内側に転ばせてる技法になります。
(神社仏閣及び関連情報) 法音寺について 作成:TM、IS
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